
小夏の候
梅雨の時期も半ばとなり、外では雨に降られ部屋にいてもジメっとした空気で額に汗をかく一年で最も不快指数が高い季節であると個人的には思い過ごしておりますが、皆様はいかがでしょうか。
6月は青年会議所活動が特に盛んであり、毎日が新たな発見と充足感に満たされた日常であったと振り返ることができます。まずは、6月1日に甲府駅北口で行われた「甲府城下町ロゲイニング」では、多くの地域住民の皆様にご参加いただき、甲府城下町の歴史や文化を体感していただきながら各チェックポイントを足早に通過するというスポーツを行わせていただきました。当日は晴天すぎるほど晴天に恵まれ、私なんかは各チェックポイントを回っても日陰を探しては休むというスタンドプレーぎりぎりの方法で一日楽しませていただきました。また、参加者の皆様が入念にロゲイニングの地図を眺めて戦略を立てているのが印象的で、時折街中ですれ違う際に爽やかに笑顔で挨拶を交わす姿を見て、楽しんでいただけたのではないかと嬉しい気持ちになりました。山の都彩広委員会では、3月に甲府市と奈良県大和郡山市との歴史的つながりや金魚文化の発信、今回のロゲイニングを経て、9月に山の都が地域に誇れる魅力を広く県内外に発信してくれるのではないかと大いに期待しています。
また、グリーンネクスト委員会では、5月に行われた写生大会の表彰式(イオンモール甲府昭和)とグリーンネクスト事業第2章として金峰山での山登りが行われました。表彰式では誇らしい顔や恥ずかしくて照れている顔をしている子など様々でしたが、参観にきている親御さんたちが皆、胸いっぱいの幸せそうな顔で青少年を見つめている姿が印象的でした。いつか今回の経験が自信となって山の都で育った青少年がこの街を誇りに思って将来を担ってくれたら開催した意義があるなと、心から思わせてもらいました。そんな気持ちになったのは山登り体験でも同様です。往復約7時間という大人でも大変な道のりを青少年たちは終始楽しそうに歌を歌ったり、仲良くなった友達と話したりしながらどんどん目的地に向かって進んでいきました。大きなトラブルもなく実行できたことが一番何よりでありますが、困難な道でくじけそうになる心を奮い立たせながら一歩一歩歩んでいく姿に青少年の成長を重ね合わせることができたのではないでしょうか。
会員に向けては、6月例会(明日を語ろう討論会)が行われました。4名の理事長候補有資格者は、今までの経験則をもとに個性溢れる視点で青年会議所活動の明日を語らいました。討論会の中で特に印象的であったのは、青年会議所活動(事業・例会)数を少なくしてほしいと考える会員が半数以上いたことです。昨今の“無理をさせない”雰囲気を敏感に感じ取った結果なのかなと思います。しかし、青年会議所の本質から考えたときに本当にその時代の潮流に乗るのが正しいことだと言えるのでしょうか。私はそう思いません。青年会議所は、機会の提供が根本の考えにあります。その機会を自ら奪っていくことは、決してすべてを肯定できるものではないと思います。100人いる組織の中で100個ある事業に全員参加している状況が最も好ましいですが、それこそ現実的ではないのです。会社や家族、はたまた別の理由によって参加できないことがある中で、機会を提供する側の理事を担う会員は、事業を少なくする方法にフォーカスを当てていては先細りするだけだと思うのです。もう一度思い返してみてほしい。我々は何のために青年会議所に入会したのか。様々なきっかけがあったにせよ、自らが入会することを意思決定したはずです。所属しているからには納めている年会費分以上の成長の機会や学びの場は提供し続けなければならないのです。JCの先輩がよく口にしていた言葉があります。「JC≪しか≫ない時代は終わって、JC≪も≫ある時代に変わってきた」と。私が考えるこの要因は、自分たちで機会の提供数を減らし続けてきた結果なのではないかと考察しています。
結びとなりますが、「明日」を語るうえで、皆様は誰の何を想像しますか。親なのか子供なのか、自分なのか。明日なのか1年後なのか10年後なのか。人それぞれであると思います。私が考える明日は、今年青年会議所に入会してくれた15名の新入会員です。その全員が組織を作る明日であり、宝であると考えています。地域にとって必要とされ続ける団体であるために、我々は地域の明日を担う同志の発掘を日々求めています。何卒ご協力いただけたら幸いです。