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学校法人 日本航空学園 理事長 梅澤 重雄様との対談

未来を語る【You More対談】

 

学校法人 日本航空学園

理事長 梅澤 重雄

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一般社団法人 甲府青年会議所

理事長  東原 広幸

 

「甲府から世界に舞いあがれ!」

 

一般社団法人 甲府青年会議所(甲府JC)の東原広幸理事長が、山梨県内で活躍する各界トップと地域の未来を語る「YOU MORE対談」。

第三弾は、甲府JCの先輩である学校法人日本航空学園の梅澤重雄理事長と対談を行いました。

現役時代は、日本青年会議所でも活躍された梅澤理事長は、世界各地で活動するNPO法人「国境なき奉仕団」の立ち上げ時から関わってきました。バレーやバスケットボールなどの部活動にも力を入れて日本一を成し遂げている日本航空高校の経営にとどまらず、様々なボランティア活動を現在も最前線で行っている梅澤理事長に、現役トップの東原理事長が「成長と学び」の極意について迫りました。

脈々と受け継がれてきた甲府JCの想いと理念が現役世代に引き継がれていきます。

(以下敬称略)

 

―――現役世代に伝えたい想い

東原理事長 : 今年4月に創立記念例会を開催した際に行ったアンケートで、梅澤先輩から「青年会議所の素晴らしさを現役世代に伝えたい」というありがたいお言葉がありました。

今回の対談を通じて、少しでも梅澤先輩の想いを現役会員に伝えていきたいと思います。

 

梅澤理事長 : 甲府JCを卒業してから32年が経過しました。当時は、日本JCとして「国境なき奉仕団」というNGOを立ち上げて、ルアンダやソマリア、バングラディッシュで積極的に活動していました。アンケートにも書きましたが、今、自分の経験などを通じて得たものを後輩に伝えるべきだと考えています。

卒業後に起きた阪神淡路大震災では、当時の日本JC会頭から要請があって、被災地での陣頭指揮を執ることになりました。全国の会員が約6万人おり、毎日300人が現地にボランティアや応援に入る日々を30日間ほど続けたことをよく覚えています。

最初はヘリコプターで現地に入り、テントを張って、東北ブロックは何をしろ、姫路JCはどうしろなどと、全国の会員に指示を出しながら復興支援をした日々でした。

 

東原理事長 : 当時のボランティア活動もですが、現在も損得勘定なしで動いてらっしゃる梅澤先輩には本当に頭が下がります。

 

梅澤理事長 : 私は甲府JCを卒業後は一線を退いて、シニア会などには顔を出していませんでした。政府の公職などもあり忙しい日々が続いておりましたが、60歳を過ぎ、今まで務めていた公職等もすべて辞めることにしました。今は、航空学園の生徒のために、土日や休日も使っています。

―――能登半島地震で石川県の日本航空学園も被害を受けた

梅澤理事長 : 今年元旦に起きた能登半島地震においても翌2日は現地に向かいボランティア活動を開始しました。

問題は、被災した900名の生徒について、代替校舎をどのように探すかでした。山梨県の長崎知事をはじめ、静岡県の川勝知事、神奈川県の黒岩知事、青年会議所でつながりがあった富山県の新田知事とも連絡を取りましたが、適地が見つかりませんでした。

そのような中で、東京都の小池知事に連絡して生徒の行き場を探していると伝えると、青梅市の明星大学キャンパスが空いているという話になりました。

私が明星大学OBでもあるため、吉田理事長と話をして覚書を結ぶことになりました。その後は青梅市の経済界の方々ともお会いする機会があり、皆さんが応援してくれました。また、商工会議所や政財界の方々がいずれも青梅JCや日本JCのOBという縁もありました。JCのOBが経済を動かしているとあらためて感じました。

 

―――甲府JCでの学びが現在に生きている

東原理事長 : 梅澤先輩が、青年会議所で学んだことはどのようなことがありますか。

 

梅澤理事長 : 私は、大学を卒業して教員でしたが、27歳の時に入会しました。当時は、旧双葉町に日本航空高校の滑走路建設に反対する組織ができた時期でもありました。飛行機が飛べない状況の中で、甲府JCに入って様々な職種職業の方と出会うことができました。公認会計士から弁護士まで、会員として話ができます。

また、名刺交換をはじめとして接待の仕方など社会人としての学びも多くあり、何より対話が大切だと教えてもらいました。その学びを生かして、滑走路建設に反対する方々と接触し、対話を続けることで反対運動は収まる結果となりました。

一教員だった私を先輩たちの教えで青年経営者に成長させてもらったと思っています。

新人の学びの場であったアカデミー委員会では、当時の委員長に地域づくり、人づくりについて教えてもらいました。先輩たちの指導を嫌がって退会してしまった仲間もいましたが、私は先輩たちの指導が新鮮だと感じていたのを覚えています。

 

東原理事長 :  甲府JCでの学びが現在にどのように生かされていると感じますか。

 

梅澤理事長 :  学校経営に生きていると思います。会議の進め方、諮問して答申がある。JCの会議は洗練されていて、学校での会議の進め方、生徒会の運営等にもつながっています。

当時は、日本JCの交通システム委員会や関東地区の副会長として全国各地や国外で活動しました。関東地区の委員会の思い出としては、会長の意見に反対する声が出た際に副会長として議論をまとめて、全会一致で通したことがあります。当時の仲間は、その後も縁あってつながっている人ばかりです。

 

東原理事長 : 梅澤先輩にとって、成長するためには何が一番重要だと感じていますか。

 

梅澤理事長 : 自民党の問題もそうですが、日本の政治をみていると国家の指針がないと感じます。内政、外交、防衛、教育においてもです。特に教育については、何を教えるのか見えない。

教育とは文化の伝達です。文部科学省は、日本国における天皇家の伝統をはじめ、大東亜戦争時の日本が行ってきたことを正しく、誇りを持って伝達するべきです。

いまでも日本は自主独立ができていません。いつまでもアメリカ追従、経済の低迷は続く。日本の外交をみても真に自主独立する必要があります。

日本航空学園は、航空安全を守るとともに、自由と規律を重んじています。

甲府青年会議所も目標があると思いますが、まずはトップが山梨県を「このような山梨にする」と決めて、それをもとに運動していくことが必要です。青年会議所の理事長は単年度で終わってしまいますが、青年会議所の意義・意味をあらためて共有して、甲府を中心としたまちづくり、地域活性化を実現してほしいと思います。

 

東原理事長 : ありがとうございます。大変、貴重なお話に感謝いたします。

 

梅澤理事長 : 青年会議所では、普通に生活していては知り合うことができない方々とも出会うことができました。佐賀県出身で日本の国士である末次一郎先生をはじめとして、素晴らしい人々から学びを得ることができました。末次先生は北方領土返還運動、沖縄返還運動の中心となった先生であり、今でも山梨県では北方領土運動や青年海外協力隊への支援活動が引き継がれています。

JC活動が思い出深く、今でも当時、歌っていた「若い我ら」を歌うことがあります。つらいと思ったときに歌うのですが、当時を思い出すことができます。

―――バスケットボール女子「山梨クィーンビーズ」の代表に就任した

東原理事長 : 梅澤先輩が今シーズンからバスケットボール女子の山梨クィーンビーズ(山梨QB)の代表に就任されたと承知しています。どのような経過で就任される運びとなったのでしょうか。

 

梅澤理事長 : 山梨QBは、以前のスポンサー企業が山梨から撤退した影響等で、クラブチームになりました。その際に、前代表の芦澤さんから相談があって、日本航空学園の体育館を使わせてもらえないかと。加えて事務所も併設することになったことが始まりです。

芦澤前代表が様々な事情を考慮して代表を交代したいとのことで、今年5月の理事会で代表に就任することになりました。

 

東原理事長 : 山梨QBは、以前よりホームゲームでのフェイスペイント事業などで甲府JCとともに活動していただいています。実は、私も高校時代はバスケットボール部に所属しており、バスケの魅力を知っている一人です。これからも関りを深く持たせてもらいたいと思います。

 

梅澤理事長 : 選手たちは、日中は県内企業で就労し、午後3時ごろに集まって練習を行う。働きながらの戦いです。県外出身者がほとんどですが、みんな山梨は暮らしやすいと言ってくれています。山梨の地で活躍を目指す彼女たち、山梨QBをぜひ応援してもらいたいです。

 

東原理事長 : ぜひ、色々な面で協力させてください。

―――青年会議所で多くのことを学んだ

梅澤理事長 : 日本航空学園は、航空関係各社の就職率が高い水準となっています。現在の入社試験では学歴は関係なく、履歴書ではなく個々人のスキルで判断されます。私共の学校では、正しい理論と国家感、愛郷心や愛社心なども学ぶことができます。

日本の伝統文化を大事にし、中国人であれば国慶節を大事にし、大韓民国、タイそれぞれの生徒も母国の記念日に、それぞれの国を愛することを教えています。

これらも青年会議所の国際儀礼として学びました。私が航空学園の経営に生かしている半分以上のことは青年会議所で学びました。学びと成長、今でも続く多くの縁に感謝しています。

 

東原理事長 : 本日の対談を通じて、私も梅澤理事長と貴重なありがたい縁をいただきました。

引き続きご指導ご助言のほどよろしくお願いいたします。

 

梅澤

なんでも協力しますので、何でもお伝えください。本日は、ありがとうございました。